低フォドマップによる食事療法
過敏性腸症候群の治療法の一つとして「高フォドマップ食」を避け、「低フォドマップ食」を摂取するという食事療法があります。
このフォドマップ、あまり聞きなれませんが難しいことではありません。
フォドマップとはなに?
FODMAP(フォドマップ)とは「小腸で吸収しにくく大腸で発酵しやすい糖質」のことを指します。
- Fermentable → 発酵性
- Oligosaccharides → オリゴ糖(小麦、豆類、玉ねぎなどに含まれる)
- Disaccharides → 二糖類(牛乳、ヨーグルトなどに含まれる)
- Monosaccharaides → 単糖類(果糖、果実、はちみつなどに含まれる)
- And
- Polyols → ポリオール(ソルビトール、キシリトールなどで果物などに含まれる)
これらの頭文字でFODMAPです。
上記したように、糖質が大きな影響を与えるわけですが、糖質は大きく分けて二つに分かれます。
吸収しやすい糖質(低フォドマップ)と吸収しにくい糖質(高フォドマップ)です。
高フォドマップ食は、吸収しづらいため小腸だけでは吸収しきれず、大腸まで運ばれ、大腸で腸内細菌のエサとなり、ガスを発生させるといわれています。
また下痢や便秘などを引き起こすといわれています。
この低フォドマップ食は、過敏性腸症候群の改善も期待できる他、逆流性食道炎や、潰瘍性大腸炎、クローン病の症状にも効果があることが分かっています。
吸収しにくい高フォドマップ食
小腸の主な仕事は栄養素の吸収と内容物の運搬です。
小腸の長さは約6mで、通過する間に栄養素の大部分を吸収する重要な役目があります。
吸収されなかった食物繊維などは大腸に送られます。
ところが、高フォドマップ食は吸収しにくいため、小腸内でどんどん濃度が濃くなってしまいます。
小腸では内容物の濃度が濃くなったものを薄めるため、水分を増やそうとします。
そのため、下痢を引き起こしたり、ゴロゴロする不快感、腹部の不調などの症状が出るようになります。
低フォドマップ食
低フォドマップに分類される食材は以下の通りです。
穀物
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野菜
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肉・魚類
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調味料
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果物
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高フォドマップ
次に高フォドマップ食材です。
穀物
- 小麦、大麦、ライ麦を使用している物
(以下はそれらを含んでいる場合該当します)
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野菜
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肉類
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調味料
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果物
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乳製品
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人工甘味料やオリゴ糖なども高フォドマップに含まれます。
外食や市販のお弁当などは、ほとんどのものが高フォドマップに該当すると考えていいでしょう。
そのため外食は避け、自炊生活をすることをお勧めします。
また、発酵食品などもガスの原因になりやすいため、控えることをおすすめします。
最後に
低フォドマップ食の効果として、1カ月以上続けることが必要と言われており、その間しっかりと制限することが大切です。
また、体質によって食材の何が合っていて、何が合っていないのかは個人差があります。
体の状態を見ながら食材を見極めることも必要です。
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