鍼灸の関心が高いワード8選
北郷通りはり灸整骨院の山本です!
今日の札幌は30センチ近く雪が積もりました。
毎年冬になり雪が積もると、ソワソワしていた学生時代を思い出します。
冬は医療系の国家試験が行われる季節だからです。
思えば、私が柔道整復師になり11年、鍼灸師になり8年が経ちました。
どんな世界も、長く携わっていればいるほど、外からの見え方に気づきにくくなるものだと思います。
そう思い、初心に帰る意味でも、今回は患者さん目線で鍼灸についてどんな所に関心があるのかを調べてみました。
ネットの検索ワードで調べる
今の時代、何かを調べるとなれば、まずネット検索です。
ネットで検索されやすい検索ワードで調べようとしていると、面白いものがありました。
無料キーワードツールの『omusubi』です。
これは、検索したいワードを入力すると、そのキーワードと同時に検索されているワードが可視的に表示されます。
上位のワードは大きく表示され、そこからさらに枝分かれしていくというシステムです。
omusubiをやってみた
早速「鍼灸」で検索してみましょう。
・
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「バン!」
でました。
もう少し絞ってみましょう。
「バン!」
こう見てみると、基本的なところが検索されていることが分かります。
読み方や、英語が気になっているということは意外でした。
(英語に関しては、検索しているのは鍼灸師かもしれません)
早速、一つずつ見ていきましょう。
(検索順位ではありません)
1.読み方
「鍼灸」、「針灸」書き方も二つありますが、「しんきゅう」でも「はりきゅう」でもどちらでも正解です。
鍼灸院の名前も「はりきゅういん」と付けたり、「しんきゅういん」と付けたりします。
灸のことを「やいと」や「えつ」とも言います。
2.英語
鍼=acupuncture
acuはacus=針
puncture=先が鋭いもので刺す、穴をあける
moxibustion
もぐさの、moxaとcombustion=燃焼からきているそうです。
調べていて思い出したのですが、学生の時、授業で『鍼の「acupuncture」は鍼の効果と、水面に雫が落ちて波紋のように広がっていく様子が似ている為、水のacuaからきている』と言われたのですが、あのメルヘンな世界感は今回、無機質な金属「acus」によって貫かれました。
3.資格
鍼灸師は3年以上、国が認定した専門学校または大学で学び、卒業すると国家試験を受験出来るようになります。
その国家試験に合格すると鍼灸師の免許がもらえます。
正式には鍼灸師という資格はなく、鍼師と灸師に分かれています。
2つとも合格して、ようやく鍼灸師となります。
2017年2月に実施された第25回はり師国家試験合格率は、受験者数4,528人、合格者数3,032人、合格率67.0%でした。
第25回きゅう師国家試験合格率は受験者数4,444人、合格者数3,010人、合格率67.7%でした。
4.保険
鍼灸治療は保険が使える場合があります。
院によっては、保険による治療をしていない場合もありますが、保険適用のところでは、「鍼灸治療の同意書」をお医者様に書いていただくと、保険適用になります。
5.料金
鍼灸院によって料金はバラバラです。
鍼灸保険の負担分のみのとこもあれば、保険料金にプラスして料金を頂くところ、保険を使わず自由診療で全額患者さん負担のところもあります。
ただ、金額が高い所は、治療に自信がないとその額は提示出来ません。
もちろん、金額だけ高くて、内容が伴っていないところもあるかもしれませんが、その院は長続きはしないでしょう。
料金はその院の先生が、技術と知識に出資してきた金額が反映されているとも言えます。
6.痛い(痛み)
やはりここは根強いイメージだと思います。
身体に刺す針=「注射」が一番連想しやすいからでしょう。
しかし注射針と鍼灸の鍼では構造が違います。
まず太さです。
当院で主に使っている鍼は直径が0.16ミリ(髪の毛ぐらいの細さ)
一般的に採血をする際に使う注射針が22ゲージ(0.7ミリ)
なので、注射針の4分の1以下の細さです。
さらに先端の形状が違います。
注射針は、先端が刃物のように鋭利になっているため、切るように刺入します。
一方、鍼灸の鍼は先端が丸く、入っていくような感覚です。
かといって、鍼灸の鍼がまったく痛くないかというと、そうではありません。
人の皮膚には痛みを感じ取る痛点があります。
その痛点を刺激しない様に鍼をするわけですが、時々は痛いこともあります。
7.効果
鍼灸治療のいい所は、幅広い症状に対応出来るところです。
病院がさじを投げた症状も、改善させられる可能性があります。
ですが、鍼灸の効果は簡単に説明できないところがあります。
それは、それぞれ治療する先生によって、行っている治療が統一されていないからです。
詳しくはこちら→鍼灸治療は院によって全く違う!
行う治療が違うと専門性も違ってきます。
A院に行って治らなかったけど、B院に行ったら治ったということも起こります。
この大きなバラつきは選ぶ側も、選ばれる側も大きな問題です。
初めて鍼灸治療を受ける患者さんは「これが鍼灸か」と鍼灸全体をひとくくりにしてしまうかもしれません。
効果があればいいですが、なかった場合、「鍼灸は効かない」と思ってしまうかもしれません。
これは今後の鍼灸会の課題だと思います。
8.不妊
先ほども触れましたが、鍼灸治療の効果は幅広い為、運動器系の治療、美容系の治療、内臓系の治療など様々な分野があります。
不妊治療も鍼灸師が行っている治療の一つです。
ただ、妊娠が鍼灸による効果だと判断するのは難しい為、医学的にはまだまだ認められてはいません。
ですが、データでは効果があると言ってよさそうです。
『アメリカの生殖医学学会誌 Fertility&Sterilityより』
【胚移植日に鍼灸治療を行うと体外受精、顕微授精の妊娠率を上昇させる】
273例を研究対象とし、鍼を行なわない組では22%の妊娠、鍼治療組では36%の妊娠率となり、鍼灸治療を行なった組に有意に妊娠率が高くなった。(2006年デンマークの報告)
【体外受精例に鍼灸治療を3回行い、鍼治療群に妊娠率が高かった】
225例を対象とし、鍼灸を行なわなかった組では13.8%、行なった組では28.4%の妊娠率で、鍼灸治療組の妊娠率が高かった。(2006年ドイツの報告)
鍼灸は昔から、未病(病気になる前の体の状態)を治療することを得意としてきました。
その為、身体を整えて、妊娠しやすい状態を作るということは可能だと思われます。
以上、鍼灸の関心が高いワード8選でした。
札幌市白石区のととのえ鍼灸院、院長の山本です。
鍼治療を探求し、患者様から「ここに来てよかった」と言って頂く瞬間のために情熱を注いでいます。
趣味は身体を動かす事、映画鑑賞、ドライブ、かわいいかわいい娘と遊ぶこと。